「ノームコア」日本上陸

「究極の普通」と訳されたニューヨーク発のファッション潮流「ノームコア」が日本に上陸したそうだ。「ノーマル」と「ハードコア」を合わせた造語で、着飾ることに疲れた人々が定番服の心地よさに目覚める現象を表しているという。アイコンとされるのが、日本製の黒のハイネックシャツを着続けたスティーブ・ジョブズ氏。服選びに煩わされない合理的な生き方が死後に注目された格好だ。日本では平凡な無地Tシャツなどが人気を呼び、男性服を女性が購入する新現象が起きているという。
今、20代の女性の間で激売れしているのが「パックT」と呼ばれる1枚540円のユニクロのメンズTシャツ。二十数色あるが白、紺、黒の地味色に人気が集まり、女性需要でSサイズの品切れが続出中らしい。購入の1割は女性で、ゆったりとしたラインで腕が細く見えると好評だそうだ。メンズの定番を女性が着る現象は昨秋のケーブルニットからだという。
着心地も楽で、メンズは首周りが詰まっていてネックレスが映えるそうだ。シンプルな定番だからこそ組み合わせで変化が楽しめるのが人気の理由のようだ。
ノームコアは2013年10月にニューヨークのトレンド観測グループ「K-HOLE」が発表した概念だそうだ。自己主張が当たり前の米国では非常に斬新な提唱だったという。周囲と同一化する普通の服という意味と共に、服選びにかかる手間や時間を削減する意味があり、ようやく時代がジョブズに追いついた感があるという。
日米でノームコアが支持された根底には、毎シーズンのトレンドに翻弄され、服を大量消費してきたことへの疑問や反省があるようだ。ノームコアの言葉を意識せずとも、少ない定番を着回すオシャレが見直されているという。
ただ、洋服は本来、欧米人のためのもの。シンプルな服は日本人の体型の弱点をあらわにし、ダサく見せてしまう恐れがある。自分の体型を熟知することが重要だ。
場の環境になじみ、普通でありながらも素敵な装いを心がけるノームコアはもともと日本人の精神にあるものだという。シンプルでもこなれた感じで着こなせればオシャレに見える。服を選ぶ手間もかからないので、ぜひノームコアファッションを取り入れていきたい。